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怪談 意味深なうたた寝

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怪談、クトゥルフ神話サークル『アコンカグア』本島としやのブログです。日々収集した怪談を更新していきます。と思っていたけど最近はけっこうグダグダCDレビューしてる。

コーラン

先日、とあるCD屋でコーランのCDを買った。
いわずもがなあのコーランである。イスラム教の。
ワゴンに放り込まれてて、500円くらいだったかな。投げ売りされていた。

家に帰って聞いてみると、透明度の高い透き通った声で、男性がコーランを読み上げている。
アラビア語なので何言っているのか全然分からないが、その声が内包している厳かな雰囲気とか、美しい旋律。お経とも賛美歌とも違う、メロディーだった。神の音楽とはよく言ったものだ。
聴いているうちに、コーランって何だろうと思うようになった。
思い返してみれば、聖書ってどんな本で何が書いてあるか大体分かる。ちゃんと読んだ事は無いけれど、一応昔どこかでもらった聖書がある。本棚を漁ってみたら、果たして埃を被った聖書が出てきたので一通り目を通したが、別に面白くない。信者の方が聞いたら怒るかも知れないが、イエス・キリストってこんなに凄い。神様サイコーって事がひたすら書いてあるだけ。
聖書って実は読み物としては何にも面白くないのである。

聖書を読んでいて思い出したのが、自分の好きなアメリカの小説家のカート・ヴォネガットが書いた、スローターハウス5って小説だ。一応SFだけど、自分はSFの皮を被った哲学書だと思っている。
そこにこんな事が書いてある。ちょっと長いかも。
『宇宙人達が地球を訪れたわけは、キリスト教徒達がときに見せる残虐性の原因を、もし理解できるのであれば知る事であった。(略)そしてその原因の一端は、少なくとも新約聖書の行き当たりばったりな物語にあると結論付ける。どのような卑しい者に対しても、憐れみの心を持つようにと人々に教える事、それが福音の本来の目的ではないのか?
だが、実際に聖書が教えるのは、こんな事だ。

「誰かを殺したいと思ったら、相手が有力なコネを持つ人間でないことを確かめてからにせよ」

宇宙人の説によれば、新約聖書の物語の欠陥は、キリストがそのみすぼらしい外見と裏腹に、事実<この宇宙における最も強大な存在の息子>だった事であるという。
だから新約聖書の読者は磔の場面まで読み進めると、必然的に次のような考えに傾いてしまうのだ。
「――なんということだ。連中はとんでもない男をリンチにかけようとしている」

この考えには双子の兄弟分がある。
「リンチにかけて良い人物は他にいる」誰か? 有力なコネの無い人間である。そういうものだ。

(略)(ここで宇宙人は新しい福音書を人類に贈る)

イエスは何の値打ちも無い男なのでよいコネを持つ人々にとっては疎ましい存在である。それでもイエスは他の福音書にもあるような愛すべき不可解な言葉を話し続ける。
ある日人々は面白半分に彼を十字架に釘付けにして十字架を地面に打ち込む。反発は起こらない。なぜならこの新しい福音書はイエスが全く何の値打ちも無い事をくどいほど強調しているからだ。
ところがその無名の男が息を引き取る直前、突然天が裂け、ついで雷鳴と稲妻。やがて神の声が轟き(略)このなんでもない男を養子にし、<宇宙の創造者の息子>として力と権限を永遠に授ける事にすると告げる。
「今この瞬間より有力なコネの無いものを虐待する輩はイエスに寄って怖ろしい罰を加えられるであろう!」』

これを思い出してなるほど。と改めて思う。だから聖書は詰まらなかったのか。唯一神の息子があちこちで意味不明な話をして回るだけだからだ。
これが聖書なら、太宰の「走れメロス」だって聖書足りうる。夏目漱石の「こころ」とか「草枕」みたいな有名どころを掻き集めて一冊の本にすれば、よっぽど面白い聖書が出来ると思うのだがどうだろう?

話を戻そう。
そういうわけで、キリスト教の聖書なら何が書いてあるのか何となくだが知っている。
でも、コーランについては何も知らない。聖書みたいにアラーすげぇ。さぁ信じなさいって内容が書いてあるのだろうか。
興味本位で近所の本屋を探したが、コーランが売っていない。聖書はやたら売っているくせに。
それもそのはず、コーランはアラビア語以外では書いてはいけないらしいのだ。というより、他の言語に翻訳出来ないそうだ。意味が深すぎて、アラビア語でないと正しく伝わらないらしい。
それを知ってますますコーランを読みたくなった。
日本で出版されているコーランは、翻訳が不可能なので注釈という形で出ているらしい。
幸いにも一冊だけ見つけた。あの阿刀田高の「コーランを知っていますか?」という本だ。入門書には最適らしい。
まだ途中までしか読んでいないが、コーランは面白い。聖書と違って思想がある。
なるほど。
だからこれほどまでにイスラム教圏の社会に浸透しているのだ。社会規範の基礎にコーランがあるわけだ。と納得できる説得力。感動した。
一応断わっておくが、アラーの神を信仰しているわけではない。
ただ、コーランは面白い。これを読み終えたらもっと詳しく書いてあるコーラン本を探そうかと思っている。
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by tominaga103175 | 2008-08-20 02:34 | 雑談