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怪談 意味深なうたた寝

imisinnaut.exblog.jp

怪談、クトゥルフ神話サークル『アコンカグア』本島としやのブログです。日々収集した怪談を更新していきます。と思っていたけど最近はけっこうグダグダCDレビューしてる。

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終末計画ですが、正直書いてる余裕がないのでいったん中止です。
時期を見てまた書くつもりですが。


★のっぺらぼう

先週の金曜日は雨が降っていた。私はご飯を食べる約束があった。電車を降りて23時ごろ、家へ向かう途中に公園を横切った。こちらの方が近道だからである。灯りも乏しい道である。

ふと前方から自転車に乗った男性が向かってくるのに気がついた。
男は私と五メートルほど離れた地点で突然スピードを落とし、ふらふらと二輪のバランスを取りながら私を待っているようだった。

警戒しつつ自転車の横を通り過ぎるとき、私は息をのんだ。その自転車の男に顔がなかったのである。テレビの砂嵐をもっと細かく砕いたようなモザイクが目、鼻、口を覆っていた。
突然自転車は勢いよく走り出した。

自転車の向かう先には霊園がある。
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by tominaga103175 | 2008-06-24 12:15 | 怪談
夏コミ受かりました。
西地区よブロックー30bで御座います。
相変らず怪談とか、クトゥルフとかそんなの売ってます。
ク・リトルリトル新刊出します。
今回はもう一つ、知り合いの芭桜さんから本を委託されました。
出来が良いから覗くだけでも来てみて下さいな。
宇宙のはじっこ
サイトのリンクもブログの右端に貼っておきます。

それにしても夏も近づいてきたからか、あちらこちらで怪談が聞かれます。
よきかなよきかな。


その中でもこれは。うはうはと思った話をば。

「狂気」
仕事場のタバコ部屋で、休憩していたら、五十過ぎのおじさんが二人入ってきた。
そこで聞いた話。

おじさんの一人が去年の夏にスペインへ行ったらしい。
スペインでタクシーの後部座席に乗ると、自分以外に二人が相席を頼んできた。
おじさんは快諾したが、車中では誰も喋らない。――というより、運転手を含めてみな人形のようにじーっと進行方向だけを見つめている。
と、突然、運転手を除く二人が話し始めた。しかしどうも様子がおかしい。
会話をしている風ではないのだ。二人とも電話に話しているかのように無表情でスペイン語を話している。
やがて、運転手も混じって車内は三人の話し声が満ちた。
だが三人とも能面のような表情で、三人同時に話している。
ラジオを思い浮かべて欲しい。どこにいるかも分からない誰かに向かって、抑揚無く、ひたすらに話をしているのだ。
恐ろしくなった。
その時、ふと気がついた。
どうもタクシーは目的地に向かっていないようなのである。
地図を広げてみる。
現在地は明らかに目的地と逆だった。
彼は止めてくれとお願いしたが、運転手は聞こえていないようにひたすら壊れたスピーカーのように話を続ける。
おじさんは日本語でい加減にしろ!!と怒鳴った。
つい口から出てしまったのだそうだ。
すると、三人ともピタッと話をやめた。
だが、隣に座っていたスペイン人が恨めしそうにこちらを睨んでいる。
助手席の男も振り返って彼を睨んでいた。
無言である。さっきまでのやかましさが嘘のように静まった。
車のモーター音だけが聞こえる。
おじさんは運転手に片言の英語で、道を間違っているんじゃないかと訊ねる。
だが、答えてくれない。
嫌な予感がした。
車はどんどん目的地から離れていく。
どこにつれて行かれるのか分かったものじゃない。
おじさんは信号で車が止まった隙に急いで下りて、人通りの多い場所へ走って逃げたそうだ。
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by tominaga103175 | 2008-06-08 20:52 | 怪談