2006年 02月 12日
地下鉄の男
わたしの胃袋は怖さが足りないと毎晩お怒りですよ。
ひどいや。泣いてる子もいるのに! 鬼よ!あんた鬼だわっ!!
そこでふと思い出した短い怪談を一つ。
毎日地下鉄で学校に通うS君の話。
大学の最寄の駅で気になっている不思議な事があるという。
訊ねてみると、曰く、いつも同じ人が駅の出入り口に立っているらしい。
駅員ではない。スーツ姿の三十後半から四十代の男の人らしいが、いつもぼんやりと立っているそうだ。
ある日、学校の近所に住んでいるS君の友人の家で遊び、帰りが終電ギリギリになってしまったときがあった。
やはりスーツ姿の男の人がぼんやりと焦点の合わない目で立っていた。
そして気づいた。
その男の向こうにある駐輪場の柵が途切れることなく見えているではないか。
見間違いかと思い、もう一度見てみてもやはり向こうが透けて見える。
考えてみれば、どの時間帯でも同じ場所で立っているなんておかしい。しかもスーツ姿だ。誰かと待ち合わせをしているとも思えない。
それ以来怖くなり、学校からは遠くなるが、二つあるうちの出入り口のもう片方を利用しているらしい。
……わたしも利用した事がある。しかしそんな男見たことないのだが。ガセネタか……?
今度調査してみようと思う。
by tominaga103175
| 2006-02-12 23:34
| 怪談